親父のために作った帳簿用アプリをGoogle Play Storeに出してみよう!
そんな感じで、すぐにリリースできるだろうと思っていました。が、実際に公開するまでにはいくつもの“壁”が立ちはだかりました。
ここでは、私が 実際に経験した苦労と工夫 をまとめておきます。これから挑戦する人が同じ落とし穴にハマらないよう、ぜひ参考にしてください。
壁その1:クローズドテストには「12人のテスター」が必要
最初に直面したのが 「テスター12人問題」。
アプリをストアに出す前には、クローズドテストを行う必要があります。その際、最低12人のテスターを登録しなければなりません。
「12人くらい余裕でしょ」と思うかもしれませんが、実際に声をかけてみると意外と難しい。
身近な友人や知人に頼んでも、アプリのインストールやGoogleアカウント連携など、意外とハードルが高くて協力してくれる人が少ないのです。
ネットで調べると「テスター互助コミュニティ」なるものがあるらしいのですが、連絡しても反応なし。結局私は ココナラでAndroidテスター実績のある方に依頼 しました。もちろん有料です。
「無料アプリをリリースするために課金」したわけです。はい。
でもテストをお願いした方からは Google審査を通すためのアドバイスをいくつも頂いたので、結果的にはお金以上の価値があったと思います。
壁その2:ストアに「個人情報が丸見え」
テストを終え、いよいよGoogleの審査も通過!晴れてストア公開!
……と思ったのも束の間、衝撃の事実に気づきました。
自分のアプリのストアページを開いてみると、
「開発者サポート情報」に自宅住所・電話番号・氏名が丸出し」 だったのです。
これは、Google Play Consoleに登録した支払いプロファイルの情報がそのまま表示される仕組みだから。
私のように個人アカウントで広告を含む収益化アプリを公開すると、個人情報が世界中に公開されてしまうのです。
完全無料のアプリなら表示はされないらしいのですが、収益化を考えるなら避けられません。
さすがに実家の住所を世界公開する勇気はなく、一旦挫折しました。
壁その3:組織アカウントを準備する
そこで次にやったのが Google Play Consoleで組織アカウントを作ること。
組織アカウントなら、公開されるのは組織情報なので個人情報を守ることができます。
準備するものはざっくり以下の通り。
- a. 組織を用意する(法人か個人事業主)
- b. 組織用ドメイン
- c. 組織の住所
- d. 組織の電話番号
- e. D.U.N.Sナンバー
a. 組織化(個人事業主になる)
私は個人事業主として登録することにしました。
e-Taxソフトを使ってオンラインで開業届を提出。その際、屋号もよくよく考えて書いておきましょう。Google Play Consoleの組織アカウント登録には必須となります。
ロゴも準備。のちのちストア掲載で使うので、このタイミングで検討し始めて良いかと。
b. 組織用ドメイン
Googleは公式サイトと組織用メールアドレスを求めてきます。
私はブログをやり始めたところだったので、それを組織サイトに。ブログのドメインを使ってメールを作成しました。
- ストア表示用メール
- Googleからの連絡用メール
の2つが必要。
さらにブログには プライバシーポリシー、問い合わせフォーム、アプリ紹介ページ を用意。どこまで審査されるのか不明ですが、準備しておくに越したことはありません。
c. 組織の住所
私は DMMバーチャルオフィス を契約しました。
またしても課金ですが、月1,000円以下で済むので個人住所をさらすリスクに比べれば安い投資です。
d. 組織の電話番号
こちらは POVO を利用。
副回線としてiPhoneに追加できるので、端末代がかからずリーズナブルでした。
e. D.U.N.Sナンバー
これは世界共通で組織を識別するための番号。
取得には費用がかかり、所要日数によって料金が変わります。私は急ぎでもなかったのになぜか「7日間プラン」を選びました。ここまでかなり苦戦していたので、やけくそで最短コースにしました。
手続き完了後は通知書をダウンロードできるようになります。
組織アカウント作成の流れ
ここまで準備できたら、いよいよGoogle Play Consoleで組織アカウントを作成します。
ただし注意点がひとつ。普段使っている個人のGoogleアカウントは使わないこと。個人のGメールと紐づいてしまうので、新しいアカウントを作成して使いましょう。
入力するのは以下の情報です。
- 組織名、住所、電話番号、URL、メールアドレス
- 支払いプロファイル
- 身分証明書類
- 組織を証明する書類(個人事業主なら開業届)
- D.U.N.Sナンバー
- 組織ロゴなどの画像
書類提出での落とし穴
私は開業届を提出したのですが、それだけではNGでした。
Googleから「組織を特定できない」と連絡が来てしまい、**「電子申請等証明データシート」**も必要になることが判明。
ただしこのシートは e-Taxソフトでしか表示できないため、PDFに印刷保存して添付する必要があります。
さらに、開業届とデータシートは 1つのPDFに統合して提出しなければならないのもポイント。
これらを揃えてようやく組織アカウントが承認されました。
まとめ:個人で公開は思ったよりハードルが高い
今回私が直面した壁は次の3つでした。
- クローズドテストの「テスター12人」をどう集めるか
- 個人アカウントだと住所や氏名が世界公開される
- 組織アカウント準備にはそれなりに費用と手間がかかる
無料アプリを公開するために課金しまくる、という矛盾に耐えながら、実際にやってみて感じたのは **「やればできるけど、事前準備が大事」**ということ。
もしこれから挑戦する方がいるなら、
- テスター確保の段取り
- 個人情報をどう扱うか
- 組織アカウントの準備(住所・電話・ドメイン・DUNS)
このあたりを前もって考えておけば、きっとスムーズに進められるはずです。
<参考文献>
以下の記事を参考にさせて頂きました。大変参考になりました。ありがとうございます!
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